消化酵素と代謝酵はどう違うの?酵素パワーで健康を保つ!

新緑が心地よい初夏。でも、この時期は、天気の変化や、春からのあわただしさなどが影響して、気分も体調も鉛色になる人が増えてきます。あなたも、体力が低下気味ではありませんか?

そんなときこそ、視点を体内へ向けましょう。個人の体質を考えた食生活を重視するホリスティック栄養学では、酵素のちからに注目。酵素パワーで健康を保つ方法を考えてみましょう。

食べ物、体内、周辺環境。いたるところに酵素あり!

最近、女性のあいだで大人気の甘酒。酵素ときいて、甘酒のことがパッとうかんだあなたは、かなりの酵素ツウ。なぜなら、甘酒は、麹菌のデンプン分解酵素(アミラーゼ)によって、米のデンプンが糖に分解されてつくられたものなのです。

ごはんをよく噛むと、甘く感じるのも同じ現象で、ここでも、だ液中のアミラーゼが活躍します。そして、この糖に酵母をくわえると、こんどは酵母がもつ酵素によってアルコール発酵がすすみ、日本酒になります。

さらに身のまわりに目をやると、洗濯洗剤や歯磨き剤、入れ歯洗浄剤なども酵素入り。ジーンズなど繊維の加工や、工業排水処理などにも酵素が利用され、植物の光合成でも酵素が登場します。

もう、あっちもこっちも酵素だらけ。いったい酵素には、どんな働きがあるのでしょうか。

タンパク質は、“酵素ファースト”

酵素は、さまざまな化学反応の速度を速める物質で、タンパク質でできています。

酵素がなければ、どのような代謝も実現せず、どのような生物であっても、酵素なしには生きられないのです。

酵素は、麹菌や酵母のような微生物(菌)の体内にも存在します。

発酵食品の原料(納豆にとっての大豆)は、微生物にとってエサ。パクパク食べて、酵素の助けを借りながら消化、吸収、分解、合成と一連の代謝をおこないます。

その代謝産物が、アミノ酸やビタミンです。規模の大小はありますが、ヒトの体内でも、同じようなことが日夜くりかえされています。

酵素が働くためには、サポーターとしてビタミンやミネラルが必要です。代謝は全細胞でおこなわれているものや、特定の細胞でおこなわれているものなどがあります。

これらすべての代謝が間違いなく遂行されるためには、酵素とともに、さまざまなビタミン・ミネラルが過不足なく確保されていなければなりません。

では、酵素の原料となるタンパク質やサポーターとして働くビタミンやミネラルが不足すると、どうなるか?じっさいにあったケースを紹介しますね。

ある日、突然、手足に力がはいらなくなり、病院に救急搬送された20代のAさん。ブラック企業ではたらき、生活リズムも食生活もめちゃくちゃ。脳こうそくや神経系統の病気が疑われましたが、精密検査を受けても、原因不明・・・。

最後に受診した消化器内科で、栄養失調、つまりタンパク質不足と判明。そのとき処方されたのが、ビタミンB群とアミノ酸のサプリメントでした。

酵素は大きくわけて、3種類

ひとくちに酵素といっても、何千種類もあり、国際的な取り決めでは、加水分解酵素や酸化還元酵素など6タイプに分類。それとは別に、一般的には、次の3種類に大別されています。

消化酵素
食べたものを小さく分解する酵素で、糖質分解酵素、タンパク質分解酵素、脂肪分解酵素に大別。だ液、胃液、膵液、腸液に含まれています。

●糖質分解酵素……アミラーゼ、マルターゼ、ラクターゼ、スクラーゼなど。
●タンパク質分解酵素……ペプシン、トリプシン、ペプチダーゼなど。
●脂肪分解酵素……膵リパーゼ。

食事のとき、よく噛んで食べたほうがよいのは、噛む回数が多いほど満腹感が得られやすいから。

さらに、嚙めば嚙むほど食べ物の破片の表面積が増えることで、消化酵素が働きやすくなり、栄養素の吸収率がアップするからです。

代謝酵素
消化酵素の活躍で腸から吸収された栄養素は、肝臓をはじめ、体内のさまざまな細胞に運ばれて代謝されます。

代謝というのは、体内での化学反応のこと。化学反応を素早く進めるために、ここで再び酵素が活躍。この代謝に必要な酵素を総称して代謝酵素とよんでいます。

代謝酵素は、免疫機能や自然治癒力、細胞の修復、あらゆる器官の機能維持、代謝促進など、私たちの、「生命活動」に大きく関わっており、数千種類の酵素があるといわれています。

食物酵素
食物酵素は、生の食物や発酵食品などに豊富に含まれます。

この食物酵素には、食物自体を自己消化する働きがあります。

また、パイナップル、イチジク、キウイフルーツなどは、タンパク質分解酵素が豊富で、一緒に食べたタンパク質の消化を助ける働きもあります。

ただし、食物酵素は、熱に弱く、高温で加熱した調理品や加工食品に食物酵素の働きは期待できません。

外からとる酵素を、健康に役立てるには…

酵素を含む食品や酵素サプリは食べてもムダという意見があります。たしかに、外から酵素を摂取したところで、それが体内に吸収されて、体内で酵素として働くわけではありません。

ただ、口にした食べものは、胃の上部でしばらくとどまり、ここで自らがもつ酵素を活用して事前消化がおこなわれます。じつは、これがポイント!

少しでも事前に消化されていれば、消化酵素を分泌するすい臓の負担が軽減。

さらに、消化酵素をつくるために必要なエネルギー、アミノ酸、ビタミン、ミネラルなどが節約され、体は、これら栄養素を他の代謝に振り向けることができます。お肌が輝きを取り戻し、疲れた体もイキイキに!

ところで、40歳を過ぎるころから、体内でのタンパク質合成力が低下してくるといわれます。当然、タンパク質を原料としているホルモンや酵素も減り、さまざまな体調不良の原因に・・・。

食事やサプリから十分にタンパク質、ビタミン&ミネラルを確保するとともに、麹菌酵素のように食物酵素の不足をおぎなう酵素をうまく使えば、年齢による変化に負けない体がつくれるはずです。

さきほど紹介したAさんも、相変わらず食は細いままですが、サプリメントを利用しながら、不足分をおぎない、体力の回復を待っているそうです。

酵素を意識した食生活で、活動的な時期を元気に迎えたいですね!

●あわせて読まれています
食事に取りいれたい!主要な消化酵素の働きと豊富な食材とは?

 

ページTOPへ ↑